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自己を生かす。続き

2021年10月25日

自己を生かす。続き

このようにひとは天分を与えられ個性的に人間性の完成を目指すのでありますが、直ちに完成できるというものではありません。つねに努力を要するのであります。そしてその過程においても、自己を生かすべきです。いいかえれば自己完成のために自己を生かす必要があるのであります。

さて、自己を生かすためにはまず他人を生かすことが大切です。それは、他人を否定して自己の存在はないからであります。他人を生かしたときには、必ず、相乗効果によって自己をも生かしたことになります。他人を生かし自己をよりよく生かす道の多くは、それぞれの立場を通じて行われるのであります。しかし立場をとおしてのみ生かされるというのではありません。別の生かし方もあります。愛情や親しみや慈しみをもって生かすのであります。理性や感情において、立場を離れて生かす道もあります。

自己を生かそうと努力するとき、まず自己を省みるのです。そこからさらに努力しようという意欲が生まれてきます。そこで人智をこえて、神のみこころに近づこうとするようになります。その時眠っていた霊性がめざめ、天分が発露し、個性が輝き、真の自己を生かすことができるのです。