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十五夜

2021年09月19日

十五夜

9月21日は十五夜・中秋の名月です。涼しくなり始めたこの時期に、満月の夜を見て楽しむのは、日本の秋の風物詩。

中国の五行の考え方では、春夏秋冬のうち「秋」は、東西南北の「西」を意味するとされます。西日は仏教で言うところの「極楽浄土(あの世)」から差し込む光と考えられ、秋は寂しく故人を偲ぶ時期。あの世との関係が近くなる時期、中秋の十五夜はあの世と近くなる満月の頃。あの世に向けて祀ることで、この世の災難を避けようと考えられていたとも。

また、中秋の名月とは、秋の真ん中に出る月という意味があります。中秋の名月は一年のうちで最も美しいとされ、古より観月の行事が催されてきました。平安時代から貴族たちが和歌を詠み、雅楽を奏で、お酒を呑んで、盛大にお月見をするようになりました。しかし、中秋の名月は必ずしも満月になるとはかぎりません。

2021年は8年ぶりに満月になるようです。今のところ鹿児島は晴れの天気予報なので見られるかもしれないですね。美しい月を見ながら月見酒、風情があっていいですね。

また別名を「芋名月」ともいい、里芋などの芋類の収穫を祝う行事で、里芋や薩摩芋をお供えします。ススキも飾ります。ススキは神様の依り代(神霊が依り憑く対象物、神体など)と考えられており、稲穂が実る前なので、稲穂に見立てたススキが選ばれたといわれてます。ススキの鋭い切り口が、魔除けになるとされ、お月見の後に軒先に吊るしておく風習もあります。

いつも思うことですが、一つ一つの行事には必ず意味がありますよね。知らないことが多すぎて恥ずかしいばかりです。十五夜にしても先祖を偲び、五穀豊穣に感謝と、翌年の豊作を願う。また一つ勉強になりました。

彼岸と此岸、迷いの世界に生きている私たち、彼岸のご先祖様に世の中の円満をお願いしたいものです。